監督:須永秀明
2005年/日本

時は明治初頭。やくざピストル愛次郎に親を殺され、彼の世話役として暮らす暗雷と遊女の月音。プライドを賭けた殴者達の死闘が繰り広げられる中、暗雷は全てを裏切り、月音と共に生きていく為の引き金を弾く。
格闘技にはまったくもって興味がありません。
なので、この映画に出てきた格闘家たちが誰が誰なのかも知らなけりゃ、それがどれだけ豪華な顔ぶれなのかも分かりません。
それでも、役者が格闘家を演ずるのではなく、格闘家が格闘家を演ずるのはいいですね。勢いと迫力が違う。
また、格闘シーンとそれ以外のシーンの組み合わせが上手い。バトルの要所でドラマを挿入し、ドラマの要所でバトルを挿入する。その組み合わせで全体を締め上げていました。
キャラクタや小道具が漫画っぽいことは否めず、下手をすると軽く薄っぺらくなってしまう危険性を秘めた作品です。
ですが、そこは実際の格闘家の格闘シーンで盛り立て、役者さんの力で引っ張った、という感じでした。
陣内さん、ちょーかっこいー。あの難しい役所を演じきってるところに感嘆します。ラストの対決シーンはたまりませんて。歪んだ愛情のなれの果て。うわしびれる。
そして篠井英介。なんだあの存在感。卑怯で姑息で軟派な嫌な奴なのに。典型的な駄目悪役なのに。どこか愛嬌を感じさせる好演でした。
見る前は格闘シーンばかりだったらどうしようとはらはらどきどきしましたが、そんなこともなく、楽しく見れたのでほっとしました。
あの結末にはちょっと納得いかないけど。ああいう安易な結末はいただけない。
殴者
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