作・演出:平田知大 / 劇団羅針盤

その街を襲った未曾有の大地震から六年。
国全体を蝕む「少子化」と「高齢化」の末期症状。
「義務教育延長化法案」
6・3・3・4の教育制度は根底から覆され、子供達は小学校だけで15年、中学校なら9年を過ごすこととなった。
人知れず可決された新学習法案。
人知れず選ばれた実験都市。
人知れず集められた子供達。いや……大人小学生。
その学校の名は、「アカツキ小学校」
今回は、前回にもましてちっちゃい舞台でした。開演前はどうなるのかと思っていましたが、始まってみると小ささなど微塵も感じず。縦横に加え、高さを組み合わせることで空間を存分に使うからなのでしょう。
どことなくファンタジーチックな設定で繰り広げられるお話。軽くてバカっぽくて見やすい中、ところどころに挿入される如何にも曰くありげなシリアスな場面が展開にメリハリをつけます。
テンションは高め。
前回も思いましたが、この羅針盤という劇団はエンターテイメント性が高いなぁ。
しかしながら、おもしろい設定が用意されているにも関わらず、それが活かしきれていないところも前回と同様でした。もったいない。もう少し練って寝かせた上で組み直すと、もっとおもしろくなったんじゃないかな、と思います。全体の整合性にこだわりすぎるのもどうかと思いますが、ある程度は整合性を保っといて欲しいものです。
あと、クライマックスの見せ場で、キャラクタが作品のテーマや主張を全部台詞としてしゃべってしまうというのは如何なものかと思います。
これはお芝居に限ったことではありませんが、なにかを表現するとき、それをそのまま記述してしまうのはスマートではないと思います。
キャラクタの行動、台詞、全体を貫く流れ。
それらを総合して初めて見える、くらいの方が面白味も増すのではないかと。
客演のお二人の良さもさることながら、今回の公演では佐倉さんに惚れました。
かわいー。