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監督:フィリップ・リオレ
2004年/フランス
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カミーユは生まれ故郷のブルターニュ地方ウエッサン島に戻ってくる。もう今は亡くなってしまっている両親の家を売却するためだ。カミーユと伯母のジャンヌの二人はその家で最後の夜を過ごすことになる。溜まった郵便物の中から、カミーユは一冊の本を受け取る。その本はアントワーヌ・カッサンディ著“私の世界の果て”。表紙のイラストが、父親が灯台守をしていたジュマン灯台に似ているのと、伯母の態度が気になった彼女は、その本を読みはじめる。そして、父と母の秘密を知ることになる−。


舞台はブルターニュ海岸の辺境、ウエッサン島。
そこにそびえるジュマン灯台。
激しい波と風に洗われるその威容に、ただただ言葉を失います。かつて、そこに灯台守と呼ばれる男たちがいて、航海を守っていたのだという事実に驚嘆します。

完璧に閉じられたムラ社会である小さな島に、一人の男がやってくる。
新たな灯台守として派遣された男の名はアントワーヌ。彼は村人たちの激しい敵意にさらされながらも灯台守としての仕事をこなし、先輩灯台守であるイヴォンと友情を築く。しかし、アントワーヌはイヴォンの妻、マベに恋をしてしまった……。
というのが、話の大筋なわけです。ここでいろんなことがあったりなかったりしながら、物語はつかの間の恋を描写していきます。

アントワーヌは、やってきた一番始めの時点から疎まれ続けます。
ま、この流れなら、徐々に彼の人柄に触れて村人たちが態度を軟化させていくのだろうなぁ、と思っていたら、まぁびっくり。
アントワーヌは、その敵意を受け容れます。どうにかして気に入られようとか、村の中に溶け込んでいこうともしない。ただ、そこにあるものを静かに受け容れる。
そして、その態度が、最終的には村人からの微かな好意へと繋がっていくのですが、アントワーヌは、その時点で島から出ていくしかないことを悟り、自ら自分を疎むように仕向けます。
初めての積極的な関わり合いが、自分がいなくなるための準備。しかし、その行為は、逆に彼の人間性を強く浮き彫りにし、正反対の波を起こすのです。
静かで、ほろ苦い物語でした。



灯台守の恋
http://www.elephant-picture.jp/todai/
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