監督・脚本:井口奈己
2004年/日本

ムカついた。顔も見たくない。
でもやっぱり、隣にいる。
何気ない日常 * ささやかなドラマ = 時々すこーし幸せ
「不器用」なヨーコと、「おいしいトコ取り」のスズ。
まさに犬と猫のような二人。仲が良いとは言えないけれど、仲が悪いとも言い切れない、そんな関係の幼なじみ。
特になにか大きな事件が起こるわけでもなく、ただ、この二人の日常を追っていった映画なのですが、そのさりげなさがすばらしい。ともすれば単調で退屈になってしまう危険性を秘めているにも関わらず、まるでそんな気負いもなく、さらりと見せてのける手腕。
いやぁ、いい。
印象的なのはふたりがそれぞれ走るシーン。
ヨーコは夜の町を、スズは朝の土手を。
対照的な二人ですが、求めるものもそこに至ろうとする過程も、驚くほど似ていることに気づかされます。
そして、実はふたりは仲が悪いのではなく、根っこが似すぎているため、磁石の同極同士が反発しているようなものなのだな、と思います。
なんというか、きれいではないけれど、微笑ましくてどこかくすぐったい友情の物語でした。
オンナコドモフィルムズホームページ
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