監督:滝田洋二郎
2005年/日本

かつて「鬼殺し」と謳われた男。
恋をすると鬼になる女。
阿修羅目覚める時、逆しまの天空に不落の城浮かび、現し世は魔界に還る──
劇団☆新感線、しかも『阿修羅城』の映画化ということで、非常に楽しみにしていました。役者陣は文句のつけようが無く、キャストを見ているだけでわくわくしていました。
うん、おもしろい。
けど……ちょっとがっかり。
カメラワークやカット割りといった画面を「見せる」手法を使えることが舞台と映画の大きな違いです。そこはそれ、どちらにもどちらの良さがあり、一概にどうだとは言えないです。
で、「見せる」ということに関して言えば、舞台と映画(というか映像)の最大の違いはVFXといった視覚効果の有無だと思います。
見て思ったのは、視覚効果に頼りすぎなんじゃないか、という点です。
「陰陽師」でも思いましたが、せっかく役者さんが良い芝居して盛り上げているところに、明らかにそれと分かる視覚効果が入ると興ざめしてしまいます。すごく萎えるというか。
もちろん、それを使うことで、普通に撮っているだけでは見せられないもの・見せられない画面を作り出せるのは分かるんですけど……。べったりっていうのは違うと思うんです。
「じゃ、アニメにすれば?」と言いたくなってしまう……。
いやー、しかし、宮沢りえってあんなにかわいい人でしたっけ?
『トニー滝谷』でもそう思ったんですけど、彼女のファンになりそうです。
それともう一つ。
私、ミニスカートよりロングスカートの女性の方が好きなんです。それも、長くてタイトであればあるほどOK。
作中で宮沢りえが着物姿で必死に走るシーンがあったんですが、それを見ていて、「あぁ、着物ってロングスカートに似てるなぁ」と思ったんです。
そこではたと気づいて発想転換。
「着物がロングスカートに似てる」んじゃなくて、「ロングスカートが着物に似てる」から好きなんじゃないのか。
……こうして、またひとつ新たに自分を再発見したのでした(笑)。
阿修羅城の瞳
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