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監督:宮崎駿

かつて、日本で戦争があった。

大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。

そして、日本は戦争へ突入していった。
当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?

イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。

この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く――。


宮崎駿の作品は、『もののけ姫』のときにちょっと鼻について、『千と千尋の神隠し』は説教臭くて辟易してしまい、以降の作品は敬遠気味になっていました。
今作も見ようかどうしようか迷ったんですが、NHKのプロフェッショナルの流儀を見てちょっと惹かれたので見てみました。

説教臭さは驚くほど消えてしまっていて、その点に関してはいい意味で予想を裏切ってくれてうれしかったのですが、物語としては、うーん……これはちょっと。

一体この作品はなにを描きたかったのでしょう。
堀越二郎の飛行機に対する思い?
それともキャッチコピーになっている「生きねば。」ということ?
零戦設計者である堀越二郎の飛行機に対する純粋な思いを前面に出し、戦闘機についての物語でありながら反戦の空気を醸し出すことなのか、堀越二郎と菜穂子との愛を前面に出し、時代と病気に翻弄されながらも「生きる」ということを強く見せつけることなのか。

かつて宮崎駿は『紅の豚』で戦闘機を駆る飛空艇乗りを主人公としながら、しっかりとした活劇を通して「反戦」について描くことに成功しました。
それに比べると、今作は明らかに弱い。飛行機に対する思いが大きく純粋であることは伝わってくるのですが、それだけなんですよね。それ以上のものがなにもない。

かといって、「生きる」ことを前面に出しているのかというと、それもまた違う。
二郎と菜穂子の出会いと別れの場面は良く描けていたけれど、愛を育む過程が物足りなくて、結局登場人物たちの「思い」をふくらませて空回りしているようにも見える。


ありていに言えば中途半端。
宮崎駿には、また少年少女を主人公とした活劇を描いてほしいんですが、もう無理なんでしょうか。
残念です。


風立ちぬ
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