
時は戦国末期。覇王・織田信長亡き後、天下獲りを狙う豊臣秀吉率いる軍勢が、関東平野に迫っていた。
そこに、邪悪な思念に満ちた闇色の城――“髑髏城”が姿を現す。城の主である関東髑髏党の首領【天魔王】は、関東の覇者を宣言。参謀【天部の将監】率いる2万の鉄機兵とともに、湧き上がる欲望のまま、暴虐の限りを尽くしていた。
一方、さまよいながら生きる若者たちがいた。義理も縁も捨てたとうそぶく牢人【捨之介】。翳をまとった色里の主【蘭兵衛】。
旧知の仲であった彼らは、偶然、蘭兵衛が取り仕切る“無界の里”で再会する。
色町に咲く華【極楽太夫】。血気盛んな【兵庫】に【三五】、関八州荒武者隊の若侍たち。
里に迷い込んだ謎の少女【沙霧】、そしていわくありげな武士【狸穴二郎衛門】の前に、天魔王の野望が立ちはだかる。
彼もまた、人々と浅からぬ因縁を持つ身だった。
やがて、無界の里は悲運に飲み込まれる。捨之介は天才刀鍛冶【贋鉄斎】の助力を得て髑髏城へ乗り込み、遺された里の人々も鉄機兵たちを相手に捨て身の戦いを挑む。それは、人々にとって、自身の宿業との最終決戦でもあった。
刀と刀がぶつかり合い、鉄砲が火を噴き、血しぶきが上がる中、それぞれの運命はさらに熱く、烈しく交錯する――。
目指すべきものを失った若者たちに、道は開かれるのか?
暗黒の闇の先に、はたして明日の光は射すのだろうか?