監督:山崎貴
2005年/日本

昭和33年、東京タワーが完成するこの年、東京下町の夕日町三丁目には、人情味あふれる住民たちがにぎやかに暮らしていました。そんなある日のこと、鈴木則文と妻・トモエ、息子・一平が暮らす自動車修理工場・鈴木オートに、集団就職で上京した六子がやってきます。
一方、なにかと則文と反発しあう駄菓子屋の店主で、しがない小説家の茶川竜之介。一杯飲み屋のおかみ・ヒロミに恋心を抱く茶川は、ひょんなことから、彼女の元に連れられてきた身寄りのない少年・淳之介の世話をすることに……。
経済的にはまだまだ貧しかったあの頃、けれど、人間的にはいまよりもずっとずっと豊かだったあの頃。
そんな、古き良き時代の東京を舞台に描かれた人情ドラマ。とても良い意味で予想通り、王道ど真ん中のベッタベタな作品でした。
ストーリーはすごくシンプルで、まっすぐに生きている人たちを正面から描いていました。
シンプル故に見せ場も素直で、力強い。
笑い所や泣き所が随所に用意されており、安心して楽しめる、まさにほのぼの系娯楽映画の頂点に君臨する名作です。
まー、六子がかわいいんですわ。
堀北真希っていうんですね、あの娘。去年フジカラーのCMやポスターで見て以来、かわいいなぁと思っていたんですよ。
しかも、東北弁を達者に操り(あくまでも他県人の感想ですよ)素朴な感じのする六子を演じのけるのを見て、かわいいだけじゃないなぁ、と感心しました。
いいね、うん。これからに期待。
エピソード的には、前述の通りどれもこれもシンプルで分かりやすかったのですが、しがない小説家・茶川が飲み屋のおかみ・ヒロミにプロポーズするシーンにはやられました。
そうきたか! みたいな。
あまりにもステキすぎて、胸がいっぱいになりました。
いいなぁああいうプロポーズされてみたいなぁ(なんか違うだろ、というツッコミは不可の方向で)。
自分的に、この作品での一番の泣き所でした。
そのシーンを見ていて、はじめて小雪をきれいだと思いましたよ。
あと、茶川が淳之介に向かって再三繰り返す台詞。
「俺とお前とは縁もゆかりもない赤の他人なんだよ」
同じ文言なのに、発せられるたびにそこに込められた意味が全然違うんですよ。言葉のうつくしさとすばらしさ、奥深さには改めて感心するばかりです。
もちろん、シーンそのものにも魅力は十分にあふれているのですが、それ以上にこの言葉の使い方に胸がいっぱいになりました。
日本映画のエンターテインメントってのは、こういうものですよ、と、胸を張れる作品ですね。
ALWAYS 三丁目の夕日
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