監督:成島出
2005年/日本

傷ついた娘のため、おっさんが立ち上がった!
鈴木さん(サラリーマン)と舜臣(高校生)の奇妙な夏休みがはじまる。年齢も環境も違う2人の奇妙な出会いと友情、教えられる本当の勇気。
「飛べ、おっさん、飛べ!」
予告を映画館で見たとき、これは間違いない作品だと思いました。
そしてチラシを見たときにさらに間違いないと確信するに至り、
実際に見てみると、やはり間違いない作品でした。
平凡なおっさんが、娘を傷つけた高校生を倒すため一夏特訓に明け暮れ、迎える対決のとき。
主人公はおっさんですが、これは、もうまさに王道ど真ん中の青春映画です。
ま、普通に考えて上手くいきすぎだろ、という感じはしますが、そこに目をつぶるだけの勢いと爽快感にあふれた作品でした。
ラストの対決。
結果は、もうね、分かり切ってるんですよ。
だって、これで負けるなんてあり得ないでしょう? 舜臣も言ってますが、主人公の負けるアクション映画なんて、興味ねぇよって感じです。
だから、今回は泣かないだろうと思ってたんですよ。
実際、鈴木さんが勝利をおさめて舜臣と抱き合うシーンはちょっとじーんとしたけど、泣きませんでした。
この作品は鈴木さんを通して「父親」というものを顕わした作品だとも思うので、鈴木さんの成長とともに、いままで父親不在だった舜臣の成長もそのテーマの一つだったんですね。だから、疑似親子となっていたあの二人の姿に少し感動しました。
ところが。
鈴木さんの勝利を知った娘が「やった! パパが勝ったよ!」と妻に抱きつくシーン。
ぶわっと涙が浮いてきてしまいました。
理屈じゃないんですね、きっと。
頭でああだこうだと考えるより、たった一言、ワンシーンですべてを凌駕する力を持つ。
サイコーに気持ちの良い作品でした。
FLY,DADDY,FLY
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