まぁ、ほら、分かり切っていても、やらなきゃいけないかなー、みたいなことってあるじゃないですか。あんな感じで見てしまいました。
いやー、ひどい、これはひどすぎるよ。
キャスト変更のことは承知して見に行ったつもりでしたが。
市川由衣。
覚悟はしていたけど、いくらなんでもこれはねぇ……。
確かに難しい役ではあったと思うけど。
はぁ。
というか、なによりひどいのは本。
なんだこれ。
前作『NANA』は、まったく正反対のナナとハチが出会い、共通点なんか無いにも関わらず心通わせ寄り添って立っていく、というその過程が青春映画として成り立っていたわけですよ。
で。
今回は、そんな二人が寄り添って立てなくなる、というそこがメインになるわけでしょう。
なのに、その一番重要なところの描き方がおざなりすぎる。
あれじゃ、全然分からない。
ナナとハチがどうして別れなきゃいけなくなるのか、が、描かれてなさすぎる。
あれは、二人の足元の地面が崩壊してしまうというお話、のはずですよ（原作未読なので断言はできませんが）。
同じ男を二人で奪い合っていた方がまだマシ、というくらい絶望的な隔絶。
それがあるからこそ、ハチはどうしようもなくタクミに惹かれてしまい、ナナはそれが許せない。そして、その行き着くところがハチとナナの別れ。
完璧な崩壊。
しかし、それを経てもなおナナを恋い慕うハチ。それに応えようとするナナ。
「見てろよハチ公、あんたの望みはあたしが絶対叶えてやる」
この台詞には、ものすっごい意味が込められているはずなのに。
はぁぁ。
この監督はなにを思ってあんな脚本を書いたんだろうか。
それでも辛うじて、中島美嘉と成宮寛貴のおかげでぎりぎり見れるレベルだったかな、と。
パンクな見た目とは正反対の、実に乙女なナナがかわいく、純情純粋なノブの笑顔に救われた作品。
NANA2
http://www.nana2-movie.com/