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千野帽子 / 河出書房新社
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「讀者が本を選ぶのではなくて、本が讀者を選ぶのです。アクセサリイが人を選び、雑貨が部屋を選ぶやうに。──素敵な本に選ばれたい。私はつねづねさう思つてゐます」。
「志は高く心は狭く」……尾崎翠、武田百合子、嶽本野ばら等、大正・昭和・平成三代のガーリッシュな文学作品を紹介する、スヰートで辛口な小娘(フィエット)のためのブックガイド決定版。

職場の宿直室には新聞が何紙も置いてあります。暇なのでそのいろんな新聞を読んでいたときに目に付いた連載記事。それがこの「文藝ガーリッシュ」でした。
新聞の方では第二期連載が始まっていて、この単行本は以前に連載されていた第一期の原稿をまとめたものだそうです。
で、一体どんなブックガイドなの? ってことを、冒頭の数行がなによりも雄弁に語っていたので、ちょっと引用してみます。

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 つい古本屋や喫茶店(カフェー)をハシゴしてしまう。たぶん、肺病で夭折した文學少女の霊に取憑かれてしまったんだと思う。
 女子どうしだから分かり合える、なんて嘘。女だからって、あんな女といっしょにしないでくれる?
《ダ・ヴィンチ》に載る十冊の話題の新刊より、《彷書月刊》で紹介された一冊の古本。
 日本の書店で小説の棚が作者の性別で分けられてる意味が分からない。
「等身大」「本音」「自分探し」のたぐいの言葉が苦手。
「ミステリ」とか「ファンタジー」「SF」といった既存の特定ジャンルが好きなのではなく、一冊一冊の小説が好き。
「若い女性に人気」と言われている本が、「いつまでも少女でいたい自分を肯定するF1層(おばさん)の文学」にしか見えない。
 ある日悪い宇宙人が攻めてきて怪光線を放射し、日本の識字率が三〇パーセントになってしまっても、自分は文盲にならないという根拠のない自信がある。
「オチ」のある小説は退屈。
 自分が本好きだってことを言うときに、「活字中毒」「乱読」などの高校の文芸部臭い常套句を臆面もなく使うことができない。
──文藝ガーリッシュはそんな、志は高く心は狭い文化系小娘(フィエット)のためのジャンルです。
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まぁつまりそういうことです。すばらしいですね!
以下、この本に紹介されていて、特に興味を引かれた作品一覧表。



森田たま『石狩少女』
小川洋子『ミーナの行進』
夢野久作『少女地獄』
佐々木丸美『雪の断章』
綾辻行人『緋色の囁き』
多和田葉子『聖女伝説』
角田光代『学校の青空』
赤坂真理『ミューズ』
津島佑子『燃える風』
栗田有起『豆姉妹』
鈴木いづみ『女と女の世の中』
福島メグミコ『少女レツナ──検閲済 小児向特別版』
嶽本野ばら『エミリー』
長野まゆみ『雨更紗』
木々高太郎『わが女学生時代の罪』
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