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道州制.com / 現代人文社

市民から市民へ
道州制は数ある政治改革のひとつ。
でも実は、私たちにとって、もっとも重大な改革。
道州制がうまくいけば、住みたい社会、生きたい生き方、
元気な日本が実現する。
でも道州制がうまくいかなければ……?

普通の市民である私たちから、
普通の市民であるあなたへ、
これだけは伝えたい。
日本を10前後の「道州」に再編する制度が
国会や地方自治体で議論されているけれど、
私たちの生活をよくするという視点に欠けていないか?
市民の視点から道州制を提案!

職場の先輩との話の中で、その人が道州制にすごく期待を寄せているようでしたが、僕にはどうしても利点が見えてこなかったので。とりあえず基本を勉強してみようと思いました。
なるほど。
基本中の基本を勘違いしていたことがわかりました。
僕は、道州制って都道府県合併と市町村合併を進め、広域化による事務の効率化と広域に見合った事務を国から地方へと委譲する、といったものだと思ってました。
まぁ、確かにそういった枠組みでの考え方もあるようなのですが、「地方自治」を実施するための手段としての「道州制」とは、「事務委譲」ではなく、国から地方への「権限委譲」であり「財源委譲」のことなのだそうです。

現在の日本は、税金の大部分が一度国のお財布に入り、それを地方に分配しています。そのとき国は地方に「金出すから口も出させろ」という方法で強い権限を握っているというわけです。
それに対し、税金を一度国の財布を通すことをやめ、直接地方がお財布に入れることができれば、国からの横槍も入らなくなるじゃない。そうすれば、確かに地方によって税収のばらつきは出るが、そもそも全国一律足並みそろえて、という考え方が常に正しいとは限らないし。地方は自分のお財布に見合ったやり方を模索し、その個性を活かした方法でがんばればいいじゃない。

うん。なるほどね。
これには同意できる部分がいろいろあります。
でも、やはりこれは理想論であり、大都市の理屈ではないかと思います。

まず、赤字に喘いでいる地方自治体同士が合併したところで、より経営が厳しくなるだけで好転することはありません。
そこで、さらに収入減。
この本の著者は、そんなときだからこそ情報公開をして住民と自治体が手を取り合って明朗会計を行えばなんとかなる、と言っています。
なるか? ならないでしょう。
これが成功するのは、道州制による財源委譲で税収増を望める大都会だけではないかと思います。
というかそもそも、地方自治体の行っている事業の多くは黒字経営が望めず民間が手を出さないものであり、しかし赤字だからといって手を引くわけにはいかないものばかりです。
経営をスリム化、効率化することで赤字脱却を目指すことのできる民間企業とはまた話が違うと思うのです。そりゃもちろん、だからといって赤字が出て当たり前と胡坐をかいていいわけがありませんが、物事には限度があると思います。なんだか、この物言いは「埋蔵金があるから大丈夫!」と自信満々に言っていた頃の民主党を彷彿とさせます。

それに、最初からずっと感じていた疑問がやっぱり解消できませんでした。
道州制は地方の個性を伸ばし、地方に活気と力を与えるものだといいます。
けれど、現在の都道府県よりも広域の自治体を作り、もっとも住民と近い「基礎自治体(現在で言う市町村)」を10万人規模とする、というのはどうなの? でっかいよ。10万人規模って。
地方の個性を伸ばすと言いながら、個性を均一に塗りつぶそうとしてるようにしか見えません。
それってどうなのかなー、とずっと疑問に思っていて、けれど、この本の中ではそれに対する答えは見出せませんでした。
この本の中で語られる「地方」は規模がでかすぎて。
日本から「町村」を一掃し、「都市」だけが整然と居並ぶ「地方」。
理想論だなぁ、と思わずにはいられませんでした。


ざっと探した限りでは道州制に肯定的な本しか見当たらなかったんですが、次は否定的な本も読んでみたいです。
あ、や、肯定派でも否定派でも、いい本を知っていたら教えてください。
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