入江紀子 / 集英社

毎日幸せな事ばかりじゃないけれど
焦っても仕方ない、笑顔でゆっくりいこう…
みずみずしいタッチで
読む人の心をやさしく癒やす短編集。
〜収録作品〜
ひなた・カポック・サンドイッチ・帰らなくちゃね・おなかとせなか
棚の間を周遊していたら、「入江紀子短編集」の文字が見えたので即買い。
なんだかこの人の漫画を読むのは随分ひさしぶりのような気がする。
ああ、も、やさしいなぁ。
どれもこれもやさしい漫画ばかりです。
誰かのことを好きでいること。好きになること、じゃないのがポイント。出会って、好きになって、そして、それを維持していくということ。好きでいること。
この中では「サンドイッチ」が一番好き。
なにかを手に入れるのは容易いかもしれない。でも、それをなくすのはもっと容易い。
「今度道に迷ったらね いつまでもひとりで迷ってないでひとに聞くんだよ
親切な人なら道を教えてくれる 交番に連れてってくれる
親切な人は どこにでも必ずいる」
この言葉がすとんと落ちてきて、そのあまりのやさしさにとろけた。
心が震えることはよくあっても、心がとろけて形が変わることなんて滅多にないよ。
こんなにやさしく生きていられる人がいるのなら、僕ももっとやさしくならなくちゃいけない、と、そう思ったのでした。