忍者ブログ
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

日渡早紀 / 白泉社

亜梨子は植物と交信する能力を持つ高校生。ある日、隣家のイタズラ小学生・輪を誤ってマンションのベランダから転落させてしまう。奇跡的に回復した輪は、もう一人の自分に覚醒していた――。一方、亜梨子は前世の夢を共有する同級生迅八・一成と出会うが、なぜか輪は彼らを超能力で襲撃する――。不可思議な前世の記憶を持つ7人の少年少女の思いが激しく交錯する――。


「ボク月」にラズロとキャーが出てきてて。
あぁ、もう、これはずるいなぁと思いながら、たまらなくなって引っ張り出してきました。

読み返してみてびっくり。
あれ?
ラズロとキャーのエピソードって、これだけだったっけ。
たったの24ページ。
うそー!? もっと長いエピソードだと思ってた……。
それだけこの24ページが印象深いというか、意味深いというか、ものすごく重要なエピソードだったということなんだなぁ。
「君は心の底からやっと… 『淋しい』って思ったんだ」

「悔しいなら不幸になっちゃダメだぞ 絶対だ」

紫苑の中にこの言葉が根付き、長い時間をかけて人知れず成長し、最終的に木蓮を得ることで花開く。
非常に意義深いエピソードです。この二人がいなければ、紫苑は木蓮を愛することはなかったはずで。
嗚呼。
何度読んでも泣けてくる。



しかし……。
何度読んでも玉蘭のことが嫌いなことは変わらないんですが、今回読み返してみて、はじめて紫苑にいらつきを感じました。
あーもー、ぐじぐじしてんじゃないよ! そこで素直になってればもっとまるーく収まんじゃん! なんで木蓮がこんな苦しまなきゃいけないんだ!
というような感じ。

うん。そうなんですよね。
このお話って、前世がどうしたの、異星人がどうしたの、月基地がどうしたの、ESPがどうしたの、って、SF的なガジェットやスピリチュアル的なガジェットが満載でまさに「ザ・花ゆめ」って感じだけれど、物語のコアな部分って非常に少女漫画的なすれ違いなんですよね。

すれ違いと誤解、恋心とコンプレックス、見栄と強がり、涙と弱音。

まさに王道。どっちかというと花ゆめというよりもりぼん的なんですよね。その非常に少女漫画的な核に、前述のSF的ガジェットで組み上げた楼閣をかぶせることで幅広い層に受け入れられるように作られている。
いままで何度も読み返してきましたが、今回紫苑にイラっときたことで初めて気がつきました。
よくできてるわー。
やっぱおもしろいです。ぼく地球。
この記事にコメントする
name
title
color
mail
URL
comment
pass   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (チェックを入れると管理人だけに表示できます)
PR
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ブログ内検索
Copyright ©   input   All Rights Reserved
Design by MMIT simple_plain Powered by NINJA TOOLS
忍者ブログ [PR]