勝田文 原作:P.G.ウッドハウス / 白泉社

ゆるふわ青年貴族とカンペキ腹黒執事が贈る優雅でお気楽な珠玉の英国コメディ。
「ビンゴ夫人の学友」「ジーブスとクレメンティーナ嬢」「ジーブスと招かれざる客」「伯母さんとものぐさ詩人」「小説 ジーブスオムレツを作る」収録
もう一冊、『ジーブス英国紳士録』が出ているはずなんですが、近所では見当たらない……。
合わせて一気に読みたかったけれど、手元にジーブスがあるのにこれ以上我慢できないので、まずはこちらから。
あーやっぱりおもしろいなー。
特に「ジーブスと招かれざる客」が最高!!
助言を無視したがためにジーブスから冷たくあしらわれ、変人に振り回される羽目に陥るバーティー、絶体絶命の大ピンチ、そこで放たれるジーブスの機転!
かーらーのー、もう修復不能かと思われたあらゆる諸々がすべてすっと収まるべきところに収まっていく痛快さ!
そして最終的にジーブスの助言を受け入れるバーティー。
もう、様式美と言っても過言ではない完璧なパターンですが、ハマればハマるほどおもしろい。
王道というかパターンというかお約束というか。
このジーブスシリーズを読んで初めて、ユーモアの利いたコメディのおもしろさに気づきました。というか、ユーモアってこういうものだったのか! と実感しました。
なんともかなしいことに、勝田版ジーブスはこれでおしまいだそうです。
ショックだなぁ。
ネタ、というか原作はまだまだあるというのに。
「またいつか、ひょっこり再会できたらいいなあ」という勝田さんの言葉が実現するのを気長に待つことにします。幸い地元の図書館には森村さんの訳したジーブスシリーズがたんまり置いてあることですし。