柳原望 / メディアファクトリー

男、高杉温巳、勝負のとき!
ずっと気になっていた存在。
でも気にしないようにしていた久留里の父親と、ついに対面を果たした温巳は動揺を隠せない……。
一方、久留里は高校最後の体育祭や文化祭に大忙しで…?
伝えたいのに伝えきれない家族への思いはどこへ駆けてゆくのだろう――。
久留里の父親との対面。
がんばった。がんばったね、ハル!
意外とあっさりしていたというか、ページを開く前は、もうこのエピソードだけで一冊丸々使っちゃうんじゃないかと思ったりもしましたが。
対面で一話、ハルの踏ん切りをつけるのに一話、ハルの気持ちの整理に一話。
たった三話でハルは久留里に話をしてしまいました。
しかも、そのうちの二話はハルの就職&海外行きエピソードも同時進行だというんだから。
なにこのコンパクトさ。それでいて、なにひとつ不自然なところも取りこぼしもないという。
柳原さん上手すぎ!
や、そんなこたぁとっくの昔から知ってたけど。
改めて感服です。
この漫画を読むまで、地理って地名と特産物を暗記するものってイメージがあって、おもしろいなんて思ったことありませんでした。
でも、いまは地理っておもしろい学問だなぁ、と思います。いや、地理のなにがわかったのと言われると困るんですけど。
通常の学問はまず正解を定めるね 地理はまず飛び込むんだ
行ってみて やってみて 見てみて
データを取る 検証する 他と比べる
考える
おもしろいだけではじめてもいいんだ
だけど おもしろいだけで終わらせない
その感覚(センス)と技術(スキル)を身につける学問だ
という風谷先生の言葉がなんとなくわかる気がする。
なんでもかんでも地理になりうるんだなぁ、って。なんか、大学のときの先生がどんなテーマでもやり方次第で考古になるんだよ、と言っていたのを思い出します。ああなつかしい。
高杉さんもあと一冊でおしまいだそうで。
なんだかこの流れは「うさぎドロップ」をなんとなく彷彿とさせる感じがして、少しざわざわしています。
どうなるのかな。楽しみです。