日渡早紀 / 白泉社

輪に自分と同い年の頃に使っていたというキャップをもらった蓮。ある日近くの神社の鳥居の下で、フシギな声を耳にする。そこに現れたのは同じキャップを被った半透明の少年。“京都へ行かなければ…!”と舞い散る桜の中を駆け抜けてゆく彼を、蓮は必死に追うのだが──!?
5巻序盤に収められているエピソードは、これまでの流れを踏襲しています。
事件……というほどでもないけど、ある出来事があり、それに対して蓮が体当たりで悩み、成長するというもの。
このときに、蓮は輪が当時被っていた帽子を手にし、それをサイコメトリしてしまう。
このエピソード単体で見ると、それがきっかけとなって蓮はまた輪の幼少時の秘密に少し近づいて……といういつも通りの展開のわけですが、これが後々にまで尾を引いていく。
このとき蓮がサイコメトリした情報とは、輪の幼少時。
つまり、輪が紫苑に侵されていたまさにそのときです。
輪=紫苑、しかも、その紫苑はここ最近蓮に力を貸してくれていた紫苑ではなく、ブラック度MAXの紫苑です。
この紫苑に触れ、感受性抜群の蓮が無事で済むわけがありません。
輪に続き、今度は蓮までもが紫苑の影響を受け始めるのか……?
しかし、その紫苑の真意はどこにあるのか……?
長編のための伏線をばりばり残して次巻へと続きます。
うわー、待ち遠しいー!