芦奈野ひとし / 講談社

12年分の思いが詰まった完結巻。
コーヒーブレイクのおともに……。
ずるい。芦奈野ひとしはずるい。
こんなのずるすぎる。
本屋で帯の「完結巻」という文字を見たとき、そう思いました。
だって、このマンガ、続けようと思えばいつまででも続けられるけれど、終わろうと思ったらそれよりずっと簡単に終われるんですもの。
時間は無限で、でも人の生活は有限で、アルファさんの時間はそのどちらでもありません。
どこまでも続き、だからこそ、手に収まる分がすべてなのです。
時間という概念は人間がいるからこそ存在するのであって、個々人にフィードバックされることでしか存在できないその存在は、各人によって違う長さや重さを宿していると思うのです。
だから、僕は、いつまでもいつになってもどんなときでも、アルファさんと同じ時間を過ごしていたいと思います。
ゆったりと、けれど確実に流れる時間。
てろてろの時間。
僕にとってのカフェ アルファ、ここが僕の場所、と胸を張って言えるような場所が、いつか作れるだろうか。