原作:奥瀬サキ 漫画:目黒三吉 / 角川書店

都内某所にて、集団焼身自殺計画──
「大直の鑚火」…ついに決行。
現場へ急行する深小姫たちを待つものとは…!
とうとう長く続いた深小姫対ユオの対決は終わります。
なにも生み出さず、ただ悔恨と傷を残して。
ハッピーではないけれど、バッドでもないエンド、かな。
まぁ、なにもかもが上手くいってめでたしめでたし、となったら幻滅なんですけどね。
人生、そんなに簡単に割り切れるものじゃない、ということを深小姫さんは見せてくれます。
ただ、悔恨は次へと向かう際の指針になるし、傷はいつか癒える。
「大直の鑚火」のエピソードが10巻の早々に終わってしまい、最終巻のほとんどをその「再生」の部分に宛てているのがとても象徴的です。
多くの人が死んでしまいましたが、この作品はハッピーエンドなんだと思います。