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緑川ゆき / 白泉社
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妖怪達を統べる契約書「友人帳」を祖母レイコから受け継ぎ、妖怪達に名前を返し続けている少年夏目。ある日、用心棒・ニャンコ先生にそっくりの黒ニャンコ先生が現れ、夏目の手から「友人帳」を奪い去ってしまう! 慌てて後を追う夏目とニャンコ先生が目にしたものとは…!?


やばいよ。夏目は本当にやばいよ。
どの話を読んでも号泣してしまう。
人は決してやさしいばかりではないのに、夏目を読んでいるとそんなことを忘れてしまいそうになる。

この単行本では、9話と10話の対比がものすごくいい。
妖と人間。
時間の流れも、住む世界も、行動様式も、なにもかもが違うこの二つの種族が、ともにあるということ。
そこには必ず別離がある。もちろん、人間と人間だって別離は必ずある訳なんですが、なんていうのかな、人間同士の出会いと別れよりも、恣意的なものとして描かれる。
妖は長命で強力な存在。
人は短命で非力な存在。
普通に考えれば後者が前者に駆逐されて終わりなんですが、そこに「思い」や「感情」という要素を混ぜてやるとあら不思議。
本来交わることのないものたちだからこそ、出会いと別離には、常に万感の思いが交錯するものなのです。

どれもいいんですが、10話の蛍が特に切なくて切なくて鼻水が止まりません。なにあれ。確かにここにいるのに、決して交われない。隔絶。絶望。
どれだけの思いを飲み下せば、「よかった あの人はもうひとりではないんだな」なんて言えるんだ。
涙を流しながら、見えないと分かっていながらもずっと側に立ち、聞こえないと分かっていながらも「好きよ」とささやき続けた相手に。
いったい、それはどんな感情なの。


夏目は本当にやばいです。
しみるよ。
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