オノ・ナツメ / 講談社

「男たちの心のつながりや友情は、気付くと今まで描いた漫画の中によく出てきていたのですが、今回はそれをメインテーマに6編。これは本当に思いいれが深いシリーズです」
オノ・ナツメ
帯で作者本人が言ってますが、男たちの心のつながりや友情を描いた短編集。
ものすごくかっこよくてしびれます。
6編全部に共通しているのは、男たちがみなとても不器用だということです。
素直になりたいけどなれない、伝えたいけど伝えられない、言いたいのに言えない。
じゃあどうするのか?
決まってる。男は背中で語るんですよ。
オノ・ナツメの男性観がありありと見えておもしろいですね。
どの話も奇を衒ったものはなく、王道を突っ走るものばかり。
「長靴」「パートナー」はその王道の力を十二分に発揮した良作です。少し変わり種の「煙」もたまらない。
「BLはどうも……」
「あの絵柄はどうも……」
とか思ってオノ・ナツメ(basso)を敬遠してる人がいたならば、是非読んでもらいたいです。
「リストランテ・パラディーゾ」や「さらい屋五葉」、「not simple」、「クマとインテリ」「amato amaro」などの他の作品より、オノ・ナツメの味が良く出ているように感じられました。