清水栄一×下口智裕 / 小学館
初代ウルトラマンであったハヤタ・シンの息子、早田進次郎。
彼は、父の身体に残っていたウルトラマン因子による影響で、生まれながらに特殊な能力を持っていた。
平和と思えていた進次郎の生活は、突然仕向けられた敵の攻撃によって一変。
抗えない運命に巻き込まれていく…(1巻)
突然襲い掛かってきた敵との激しい戦闘のあと、科特隊のベッドで目覚めた進次郎。
事態を把握しきれないまま、そこで、ある衝撃の真実を告げられる。
身近に迫る危機とは…警察と科特隊の関係とは…
そして、“諸星”なる人物とは――…
次々に起こる事件と、複雑に絡み合う人間関係…
その渦に巻き込まれる進次郎の運命は?
特撮ヒーロー名前を冠したマンガといえば、まず『仮面ライダーSPRITS』を思い浮かべます。原作マンガではなく、かといってテレビシリーズのコミカライズでもなく、特撮番組をモチーフとした創作マンガ、という点で、『SPIRITS』は実に秀逸な作品であり、仮面ライダーにほとんど興味がないにも関わらず、ものすごくおもしろく読めてしまいました。
この『ULTRAMAN』も同様の作品で、特撮番組をモチーフとし、原作でもコミカライズでもない、まったく新しい作品となっていました。
2巻まで読んだところとしては、そろそろ主人公が壁にぶち当たり挫折を味わいそうな雰囲気が出てきました。自分の「特別さ」を無邪気に喜び謳歌する時期は終わったというところでしょうか。
少しイントロダクションが長すぎるような気もしますが、ようやくこれから物語が動き始める、という段階に至ったというわけですね。
「ヒーロー」という名の差別、異能であるが故の苦悩。
しっかりとしたドラマを見せてほしいものです。
ところで、この作品を読んでいると、なんとなく『サイレントメビウス』が脳裏にちらちら浮かんできました。
ゼットン星人・エドの姿形がどことなくルシフェルに似ているせいか……。
それとも主人公が異人の因子を受け継いでいて、どうやらいろんなもののキーとなりそうだからなのか……。異能と科学がいい感じに融合しちゃってる感じがするからか……。
また読みたくなりました。