森博嗣 / 講談社

地上12メートルの松の枝に首吊り死体が!
遺されていたのは「ηなのに夢のよう」と書かれたメッセージ。
不可思議な場所での「η」の首吊り自殺が相次ぐなか、西之園萌絵は、両親を失った10年まえの飛行機事故の原因を知らされる。
「φ」「θ」「τ」「ε」「λ」と続いてきた一連の事件と天才・真賀田四季との関連は証明されるのか?
今年初読みの一冊が、ちょうど一年前の本だということにはなんの意味もありません。
Gシリーズも6冊目。シリーズも半分を過ぎたわけですが、このシリーズは進めば進むほどにミステリ要素が薄くなっていくようで読んでいてはらはらします。
首吊り自殺の謎解きはほぼなされません。
ていうか必要ありません。
それはシリーズ通しての大きな謎の欠片の一側面でしかないからです。
謎が提示され、解き、落ち着ける。
ミステリという読み物は、この一連の作業が目的であり、その他の物語的なものが手段であることがこれまでの定石でした。
それが崩れ始めたのは森博嗣をはじめとした講談社ノベルスからでありましたが、それも来るところまで来たのだなーという感じです。
一冊一冊を見れば、いままでとは手段と目的が逆転しているように見えますが、これをシリーズ通して見ると全然逆転してなどいなく、しっかりとした謎解きが綿密なドラマの上に成り立っている。
はやくその全体像を見てみたいものです。
さて「η」。
犀川先生と萌絵の関係も気になりますが、なんといっても瀬在丸紅子と保呂草潤平。
単体でちょろっと出てきただけですが、ものすごい興奮した。
このふたり、早く絡んでくれないかなー。
犀川先生と真賀田四季と四人で組んずほぐれつ頭脳戦をしてほしいなぁ。
あ、想像するだけで鼻血出そう。