森博嗣 / 講談社
いわずと知れた森博嗣のデビュー作。
この間、なんだか無性に読みたくなったので読み返しました。
何度読んでもおもしろい。
トリックがわかっているのに感嘆する、という点で、僕はこの作品をミステリとして読んでいないのだろうな、ということがわかる。
以前Vシリーズを読んでいるときに、これはミステリではなくキャラクタ小説として読めばいいんじゃないか、と気づいたとどこかで書いたことがありましたが、こうして読み返してみると、S&Mもそうして読むのが一番おもしろいんじゃないかと思えてきます。
つまりは、犀川先生の思考論。
思想論ではなく、思考論。そんな言葉があるのかどうかはしりませんけど。
スマートに、ストイックに、シンプルに。
犀川先生のような人が好きだなぁ、と感じます。
結局、この作品、シリーズは、その点に尽きるのだと思います。
それにしても、犀川先生が32歳だという設定だったと今回改めて認識し、愕然としました。
2歳しか違わない……。
地味にショックでした。
S&Mでは「封印再度 Who Inside」が一番好きなので、もっかいそこまで読み進めたいな。