西尾維新 / 集英社
西尾維新がDIOを描く、というので、ものすごい楽しみにしていたのですが……。
正直言ってつまんなかったです。
戯言シリーズ終盤もそうでしたが、無駄にクドく、行数を稼いでるとしか思えない言い回しが多く、ものすごい水増しされているようにしか見えませんでした。
しかも中身がない。
そりゃまぁ、日記だから、第3部の様子をちょこちょこはさんでくるのは当然というか仕方ないとしても。
半分以上が第1部の回想ってどうよ。
DIO本人が書いた「天国へ行く方法」、失われたそのテキストをいかに再現するか、が楽しみだったのに。
そのことについて触れているのは、全体の3%くらいかな。しかも、目新しいことはなくて、第6部でプッチが言っていたことの繰り返し。
あとは第1部と第3部のことばかり。
テレビドラマがウケて映画になって、その番宣のために映画公開直前スペシャルとか銘打って、結局過去の映像の切り貼りでお茶を濁す総集編。
新作小説というより、こう言った方がより適当なものでした。
そういったものだと思えば、これはこれでありかもしれません。
だって、第1部からまたジョジョを読み返したくなりましたもん。
でも、この小説をまた読み返したくなる日はこないでしょう。