著:大場惑 原作:新海誠 / メディアファクトリー

中学生のノボルとミカコは同じ部活に励む仲の良いクラスメイトであったが、三年生の夏にミカコが国連軍選抜メンバーに抜擢され、離ればなれとなってしまう。携帯電話のメールで連絡を取り合う二人だったが、宇宙船が地球から離れるにつれ、その時間のズレは決定的なものへとなっていく……。
「私たちは、たぶん、宇宙と地上にひきさかれる恋人の、最初の世代だ」
同名アニメーション映画のノベライズ版。
映画ではさらっと流されていたり触れられていなかった背景がそれなりに書き込まれています。
あと、映像では描かれなかったその後も少し。
正直言って、微妙です。
確かに映画を見たときに感じたいくつかの「何故?」には答えてくれましたが、その代わりに作品の響きや余韻といったものを奪われました。
有り体に言えば「その後」がなければ良かったのに。と思ったのでした。なにもそんな無理矢理着地させなくても。いや、別に展開に無理があるとかそういうことじゃなくて、せっかく映画では見せなかったものを、わざわざ文章で提示する必要があるのかなぁ、ということです。