清涼院流水 / 幻冬舎

2000年1月1日。新しい千年記と同時にハタチを迎えた音羽恋子の眼前に現れた「よろず鑑定士 貴船天使」と名乗る男は、札束を取り出して言った。「このテストに回答したら99万円あげるよ」。突如渡された33問のトップラン・テスト──回答者に値段をつけるための人間鑑定試験??
久方ぶりに清涼院流水御大の文章を読みましたが、やはり癖がありますね。
説明くさすぎる文章、というか、説明そのものなんですけどね。それをなんとなく読ませるだけの力があるのは不思議ですね。どうなってるんだか。
さて。
第一話ということでいろんな謎が提示されているわけですが、これがきちんと説得力を持たせた上で展開されて解決されるのか。
別にこの人を否定するつもりはありませんが、『ジョーカー』や『コズミック』を読んだ限りでは、文体と込められた情報量の多さで圧倒されたままお茶を濁らされるんではないのかな、と少し不安になります。
壮大であることが悪いとはもちろん言いませんが、壮大であれば壮大であるほど良いとは思えません。
はてさてどうなるのか。