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西尾維新 / 講談社
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「生きている以上、世界の終わりを物語の終わりを、諦めることはできない」
“人類最悪の遊び人”たる「狐面の男」は「ぼく」こと“戯言遣い”に断言する。
玖渚友との決別。想影真心の暴走。そして、復活する哀川潤……。
シリーズすべてを貫く伏線の楽譜は絡まり合い、一気に奔流を始める!


戯言シリーズ最終巻、ネコソギラジカル。
とうとう読みました。

初っ端のいーちゃんと玖渚の会話が、一番はらはらどきどきしました。
僕が西尾維新に求めていたのはああいう舌戦です。物語としての物語なんかより、会話劇のための物語を欲していたわけです。
舌先三寸というとちょっと違いますけど、キャラクタが二人いて、とことんまで言葉とセンスを尽くして語り合ってくれるだけで充分でした。
ある意味、一番のクライマックスがここだったのではないかと。

その後は、一里塚木の実いうところの「敗戦処理」のようなもののように感じました。
広げすぎた物語を閉じるため。
張ってきた伏線を回収するため。
そのために紡がれる物語。物語を終わらせるための物語。おもしろくなかった、とは言いませんが、やはり前二冊で感じた呆気なさを感じます。伏線もまるで回収されきっていないし。
まぁ、もちろん、そこで描かれた「想影真心を通して、生きる意味を見つめ直して自分自身にもケリをつける」みたいな部分が、あのラストへとつながるのは分かりますよ。
でも、いーちゃん自身の中では、そんな決意はとっくの昔にしていたわけですし。
期待しすぎていた分、ハードルを高くしすぎたんでしょうねぇ。
僕は、もっといーちゃんの戯言を聞きたかっただけなのでしょう。

つーか、哀川潤かっこよすぎ。
いや、まぁ、そんなのずっと前から分かってたことですけどね。それにしてもイイとこかっさらいますよ。
第二十二幕のラストにしびれてしまって大変です。
そして真心とのラストバトル。
いやいやいやいや……。そんなことをさらりと言わないでくださいよ。不意に泣きそうになったじゃないですか。
まさに人類最強。その心根の強さがなによりの魅力です。

『青色サヴァンと戯言遣い』で始まった物語は『青色サヴァンと戯言遣い』で終わるわけです。
玖渚友といーちゃんを描いた物語、にしては少し物足りないところもありますが、まぁ、いいよ。大体分かるし。あんな風に着地させられたんじゃ、文句もつけられないって。
関係の崩壊を描きながら、関係の再構築は描かず、結果だけをぽんと晒す。
演出としては上々です。素材はたっぷり提供されてますからね。それを描かないからこそ、想像もふくらむってものですよ。
ハッピーエンドっていいなぁ。


さぁて、これで終わりかと思っていたら限定コンプリートBOXですってよ。
踊らせられてるのは重々承知ですが、欲しいなぁ、と思うこのオタク心はどうにも制御できないものですね(苦笑)。
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