冲方丁 ／ 早川書店
The First Compression──圧縮
The Second Combustion──燃焼
The Third Exhaust──排気
なんかいろんなところで絶賛されてましたね、この作品。
冲方丁はデビュー以来大ファンでずっと追っかけてきてたんですが、この作品は買ったはいいがそのまま積ん読に埋もれていたのでした。
それで、この間ようやく読みました。
ウフコックかっこいー。
彼のような能力は結構色んなところで見かけるような気もするのですが、そんなことはどうでも良いと思わせるくらい魅力的なキャラクターでした。
物語の最大の山場であるブラックジャックですが、すごいです。
手に汗握るギャンブルシーンなんて読んだの初めてです。
このシーンに比べると、銃と異能が飛び交うアクションシーンがかすんでしまいました。
あと、この作品は文体がいままでの作品とは少し違っていました。
まるで海外SFの翻訳本を読んでいるような感じ。ハヤカワ文庫だからなのか、SFだからそうなのか（でも「微睡みのセフィロト」はSFでもそうではなかったなぁ）、まぁ、なんにしろ、そうした文体が作品の雰囲気をより高めていたことは間違いないのでした。
「黒い季節」では極道とオカルトの世界を、「ばいばい、アース」では芳醇なファンタジー世界を描いてきた作者ですが、この作品でSFまで見事に描けることを証明してくれました。
次作が楽しみでしょうがないです。
