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トマス・グレーニアス / 早川書房
atranthis.jpg
ペルーのナスカを訪れた異端の考古学者コンラッドの前に、一人の男が現れた。南極で調査をしている空軍士官の養父が彼を迎えに送った男だった。基地に着いた彼は養父の話に耳を疑う。氷の下にアトランティスの遺跡があるというのだ。ローマ法王の依頼で査察に来た女性言語学者と養父とともに彼は地下探検に赴く。やがて目にする驚異の遺跡──そこに隠された想像を絶する秘密とは?


異端の考古学者。
前人未踏の地。
先人類文明。
魅力ありすぎ。これは抗えませんて。
で、も。
『神々の指紋』を思い出すようなネタを勢いとノリで描ききった、というような作品でした。
正直期待していただけに、すっげーがっかりしてしまいました。

この作品の中で提示されているネタと発想は、結構おもしろい。
まぁ、人類未到の地といえば深海の海底か南極大陸しかないので、舞台がそこら辺になるのは納得。先人類文明の存在と、そこに秘められた謎に対する解答は上手いことやったなぁ、と感心してしまいます。
でもなぁ。
こう、アメリカの作品で、映画の世界に足を突っ込んだ人が書いたのだから仕方ないのかもしれないけど、ハリウッドの臭いが強すぎ。
目の前に提示された困難を打破する為のみの展開。全体の整合性を無視した突っ走り。とりあえず、目をひくアクションと大がかりな舞台と謎を匂わせるのに、すごく局地的な問題の解決の積み重ねでお茶を濁す。

確かにエジプトの文明は古いものだけど、そこにそこまで拘る理由とは?
現在の人類が第五の太陽の世界の住人で、アトランティスがその前文明の時代に作られたものであるのに、キリスト教がその秘鍵であるのは一体いかなるわけか?
一番気になったのはこの二つ。
まぁ、理由は明白なんですけどね。
キリスト教世界の物語だなぁ、と苦笑いせずにはいられません。

やれやれ。
読み終えた後の感想は「損したなぁ」でした。
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