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末吉暁子 / 講談社
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身よりのない少年"サル"が肌身はなさず持っていたのは、いまはなきおばばの形見の緑の石。しかし、この石こそがサルの出生のかぎをにぎる唯一の証だった。
意外な素顔がときあかされたサルは、アマグニの皇女の命を受け、海に流した皇女の娘を捜しだす旅路につく。サルが苦難の末たどりついたところは……。


あらすじとぱらぱらとページをめくってみた感じ、モチーフやキャラ造形などがもろに日本の神話のようで興味を惹かれました。
なんといっても、日本神話をベースとしたファンタジーといえば『空色勾玉』。
比べるなというのは無理な話で、読みながら「ああ……」とつい落胆してしまいました。

別に悪くはないんですが。
現世と異界の境がひどく曖昧なのは、まぁ、百歩譲っていいとして。
その世界観を描写するのに気を遣いすぎて、人間関係や感情の機微にまで手が回っていないと感じました。
キャラが微妙に立ってないというか。
読んでる途中で、過程の抜け落ちた結果を見せられて「あ、そうなの」と腑に落ちないけれど「これはそういうものなのだ」という風にして持って行かれることが何度もありました。

おそらく、これが西洋神話風味のファンタジーだったら、違和感はもっと少なかったんだろうと思います。
神話とはその地に住む人びとの原風景で、心をいとも簡単に共振させます。
この作品は、和風ファンタジーの難しさをまざまざと見せてくれています。
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