GENEON

[本編ディスク]
・本編
・予告編
・TVスポット
[特典ディスク]
・『Good-bye-days』ミュージックビデオ
・メイキング
・初日舞台挨拶
・未公開シーン集[『Good-bye-days 〜movie version〜』を含む]
・インタビュー[YUI、塚本高史、小泉監督]
[特典]
・YUI'sダイアリー(カラー48P)
・ピックペンダント
もう一年半も前になるんですねー。いやー時の流れって早いなぁ。
この作品は、本当にめっけもんでした。
「また難病か」「塚本高史が高校生って無理ありすぎじゃね?」「ていうかYUIって誰」とか、もう、全然期待しないで見に行ったんです。でも、見終わったときの満足感はものすごかったなー。
で、なんでまたいまごろになってこのDVDかというと。
『Little DJ』、『スマイル』と難病ものを続けて見ることになり、はてや難病とはいかなるファクターか、と思いを巡らしていたからなんです。そうして考えていると、ちらちらと『タイヨウのうた』が思い出されてきて、YUIの──っていうか雨音薫の歌声が脳裏に響いて。なんかたまらなくなってきて、引っ張り出してきたというわけです。
うーん、やっぱりいいなぁ。
YUIの演技は演技というよりは素に近いものなんだろうな、と思うんですが、それを補ってあまりある歌声。
その存在感の大きさは、中途半端に演技のできる役者よりもよっぽど正解だと強く、強く訴えます。
今回改めて見たとき、思いがけず物足りなさを覚えました。
エピソードが少ない。
劇場で見たときはちっとも気にならなかったのに。
すこしストーリー展開が性急だったかな、という印象が残りました。
薫と孝治の幸せな時間を、もっと描いてあげて欲しかった。たった一回のデートでカタルシスに陥ってしまうのはもったいないかも。
──って、これを書きながらさらに思った。やっぱり、あれはあれで良かったのかもしれない。
たった一回のデートだからこそ、その後のシーンで薫のつぶやく「でももうおしまい」「病気なんて関係ないって思おうとしたけど、やっぱり私が人を好きになろうなんて無理なんだよね」「安心して……もう会わないから」がめちゃくちゃ活きるんだ。
うん。
ラスト近く、
「いやだよ。そんなことしたら死んじゃうじゃん」
「私、死ぬまで生きるって決めたんだから」
「生きて生きて生きまくるんだから」
薫のこの台詞を聞いて号泣した。
こういうことなんだよなぁ。
「死」を悼むなとは言わない。もちろん。でも、永遠の別離で涙を誘うのは姑息で卑怯だ。
「死」という現実を前に、なにを思い、なにを感じ、なにを遺すのか。
物語の中で「死」を扱うんなら、そういうことをきちんと描かないと駄目なんだよ。
だから、ラストで流れる「Good-bye-days」を聴いて涙が出るのは、薫が死んでしまったからなんかじゃない。決して。
このうたにいろんな人たちのいろんな思いが詰まっているということを知っているから泣けるんだ。
ひとりの少女と、その両親と、親友と、ひとりの少年がいたことを知っているから、込み上げるものがあるんだ。
こういう姿勢で「難病」や「死」を扱ってください。
邦画界の皆さん。