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西尾維新 / 講談社

掟上今日子
――またの名を、忘却探偵。
すべてを一日で忘れる彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!
あらゆる事件に巻きこまれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介は今日も叫ぶ。
「探偵を呼ばせてください――!!」

スピーディーな展開と、忘却の儚さ。
果たして今日子さんは、事件の概要を忘れる前に解決できるのか?

今日子さんには、今日しかない。


一日しか記憶を保てず、寝てしまうと記憶がリセットされてしまう探偵。
なんとも思い切った設定ですよね。
推理って証拠の積み重ねの上に成り立つパズルみたいな側面がありますから、その根底を覆す設定には驚きを禁じ得ません。
となれば、超絶推理力を持った安楽椅子探偵なのかと思いましたが、読んでみるとそんなことはありませんでした。確かに今日子さんは優秀ですが、現場主義で意外とアクティブでした。

主人公の特性が「探偵」という既存の枠組みをひっくり返すほど強烈なキャラ設定となっていると同時に、物語を進行させるネックでもあり、優秀すぎる主人公の枷でもある。

読む前は、いかにも西尾維新らしいトリッキーでキャッチーなトンデモ設定かと思いましたが、いはやはどうして、しっかりとミステリしていておもしろかったです。
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