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アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ / 宝島社
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王様、うぬぼれ男、大酒飲み…
「大人って、とっても変だ」とつぶやく王子さま。
二つの孤独な魂が交歓する、世界で最も悲しい物語。

『星の王子さま』については、作者がサン=テグジュペリであることと、飛行機乗りが砂漠で王子さまと出会うお話であるということしか知らなかった。なんというのか、有名すぎて、いまさらきちんと読むまでもなく、いろんなところから漏れ出る情報だけでなんとなく分かったような気になっていたのです。
今回、ちょっとした予習のために借りてきて読んだのですが、驚きました。
子供の頃に読まなくて良かった。
いまで良かった。

飛行機乗りと王子さまは大人嫌いであることが共通しています。ただし、王子さまが徹頭徹尾そうであるのと比べ、飛行機乗りはすでに片足を大人につっこんでいます。
しかし、彼は王子さまと過ごすにつれてかつて子供であった自分を取り戻していきます。
そして、最後、彼は王子さまとの別れを迎えます。
でもそれは、彼が自分の中に「大人嫌い」の「子供の自分」を取り戻した証拠でもあるのです。

ひとつひとつのエピソードに込められた寓話的要素は、このお話が「童話」と呼ばれるに足る色を放ちますが、その内容は子供のために書かれたとは到底思えない。というか、サン=テグジュペリが献辞に書いているように、これは“かつて子供だった大人”のためのお話。
かつて子供だった大人たちは、これを読んではっとすることでしょう。
自分たちが落としてきたもの、しまい込んできたものの大きさに。そして、まだ、それを取り戻せるのだということに気づいて。


「ぼくは星ではなくて小さな笑う鈴をきみにたくさんあげたことになるね……」
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