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小野不由美 / 講談社

「国が欲しいか? ならば、一国をお前にやる」
これが、雁州国延王・尚隆と延麒・六太とが交わした誓約だった。
民らが、かつての暴君によって廃墟となった雁国の再興を願い続けるなか、漸く新王が玉座に就いたのだ。それから二十年をかけて、黒い土は緑の大地にと、生まれかわりつつある。
しかし、ともに幸福を探し求めたふたりのこどもの邂逅が、やがて、この国と王と麒麟と民との運命を、怒涛の渦に巻き込んでいく!!

昨日、近所のTSUTAYAに行ったら、新潮版の『東の海神 西の滄海』が平積みになっているのを見かけました。もうね、その瞬間から再読熱がうずいてたまらなくて、引っ張り出してきて読みました。
あー、もー、尚隆かっこいい!
や、も、かっこいいっていうか、震える。ヒーローに憧れるというのとはまた別に、こういう政治家がいてほしい、と切に思わずにはいられない、というか。

十二国記の主従の中では、この延王尚隆と延麒六太が一番好きです。
王としての力強さで言えば陽子が一番かもしれないし、麒麟としての儚さでいうなら泰麒が一番なんでしょうが、やっぱこの二人がね。
尚隆が魅力的すぎるんだよ。いやほんとに。こんな人の下にいられるなら。
創作だからこそなんだろうけど、尚隆のような人が現実にいてくれれば、と。
どうしてもそう思ってしまう。

いや~、野暮ですねぇ。自分の野暮さ具合にいい加減げんなりします。
この名作を読んで、この程度のことしか書けないのか。

そういえば夏頃のダ・ヴィンチで十二国記の、というか小野さんの特集がありましたが、新作はいつごろ刊行されるんでしょうね。
戴の顛末が描かれるんでしょうか。なにはともあれ、10年ぶりくらいの新刊ですからね。鼻血が出そうなほど期待してしまいます。
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