あかほりさとる / 集英社

あたし神野八純。この世界と魔界を繋ぐ「門」の守護者“防人”をやってる女子高生!!
ただでさえ悩みの多いお年頃なのに、「門」をめぐる、争いのタネが尽きないのよね。
でも気になるのは、愛しの弟、巧のコト。
この子がこの戦いの切り札ですって?
「門」がどうなろーと関係ないっ!!
あたしから巧を奪おうとするヤツは全て敵よっ! くらえ! 炎のチューリップ!!
他の本を探しているときに見つけてしまい、あまりの懐かしさに引っ張り出してきて読んでしまいました。
うわぁ……。
もう、いろんな意味ですごかったです。
擬音の多用、内容の薄さ、改行の嵐、文体の軽さ、ご都合主義、用語集に座談会と、あかほりさとるってこんなんだったなぁ、としみじみ思い出しました。
以前「とある魔術の禁書目録」シリーズを読んだとき、昔のラノベはもうちょっとマシだったと書きましたが、ありゃ大いなる思い出補正ですね。この本が1994年出版なので20年前。うん。その当時からピンキリだったよ。
しかし。
これ、OVAのノベライズでジャンプJブックスの単発作品だったから駆け足気味でこんな感じだけれど、「血のつながらない姉弟のラブコメ」と異能バトルをあかほりさとるがじっくり書いたらおもしれーんじゃねーのと思い――ああ、それって「MAZE☆爆熱時空」じゃん、と気がつきました。そう考えるとなんでもかんでも歴史ありだな、とちょっと感慨深くなりました。