H・G・ウェルズ / 海野十三 訳
せっかく楽天kobo touchを買ったので、とりあえずなにか読んでみようと思って。
タイトルと映画のワンシーン(包帯を取るとそこにはなにもない!)は知っていましたが、どんな話なのか知らなかったので選んでみました。
あ、もちろん青空文庫ですよ。無料の。
古典SFって、読んだことなくても何故か”なんとなくこんな感じ”って知ってるじゃないですか。
『透明人間』もそんな感じだったんですけど、読んでみてびっくりしました。
なんというか、ストーリーがない。
人間が透明になる、というただその一点だけ。
正直おもしろいかそうでないかと問われれば、おもしろくはなかったです。
主人公の性格破綻っぷりが突き抜けすぎていて、疑問符だらけになってしまいます。
まぁ、でもこういう人間もいないわけじゃないしな、と自分を納得させて読みすすめ、さてこれからどうなるんだろう、と思い始めたところでぷつりと終わる。
あっさりしすぎて拍子抜けしてしまいました。
まぁね、外見の変化が内面に影響を与える、というのがひとつのテーマなんだろうな、というのはわかります。
「見えなくなる」ことでタガが外れ、人間のマイナス面がどんどん「見えてくる」、というのは確かにおもしろい設定ではあります。
が、いかんせん、本当に物語がない。
うーん。
もっと別の作品も読んでみたいけれど、いまのところ青空文庫ではウェルズの作品はこれだけだったしなぁ。
暇があるときに図書館でほかの作品を探してみようと思いました。