The Swell Season
1. Low Rising
2. Feeling the Pull
3. In These Arms
4. The Rain
5. Fantasy Man
6. Paper Cup
7. High Horses
8. The Verb
9. I Have Loved You Wrong
10. Love That Conquers
11. Two Tongues
12. Back Broke
他、ライブ版CD1枚、DVD1枚
映画『Once ダブリンの街角で』で聴いて以来、虜になってしまいました。
映画を見終わってその足でCDを買い求めたのはいい思い出です。嗚呼、あの輝かしき興奮の瞬間よ。けれどまさか2枚目のアルバムが出ていたとは露知らず。普段はうっとうしいけれど、Amazonのおすすめ機能はたまにいい仕事しますよね。
『Once』はすばらしい映画で、音楽が生まれる瞬間を捉えた稀有な作品でした。音楽による殴り合いどつきあいの末に、必然的に音楽が誕生するのではなく、自然発生的に音楽が顕れる瞬間。圧倒的な勢いとか音楽の力とかそういうんじゃなくて、一本一本は細い糸が織りあわさることで柔らかい布が出来上がっていく様というか。なんだかよくわからないけれど、鳥肌が立ったものでした。
まぁ、それはそれとして。
The Swell Seasonは『Once』の主人公を演じた2人――グレン・ハンサードとマルケタ・イルグロヴァが組んだユニットです。とはいえ、2人とも元々ミュージシャンなので、映画の企画モノCDとは一味もふた味も違うものとなっています。
洋楽なので歌詞は当然日本語ではなく、日本語の歌を聴くように詩は入ってきません。
が。
「I Have Loved You Wrong」はぐぐっと入ってきた。リフレインだから耳につきやすいというのももちろんあるんだろうけど、その部分の声音がもう、ね。ぶわっといろんな感情が湧きあがってきて苦しくなります。でも、嫌じゃない。ああ、きれいだなぁって思います。
グレンの声、かな。グレンはコミカルだったりシリアスだったり激しかったりしっとりしてたり、どんな歌い方をしても嫌味がない。愛嬌のある声、というか。うん、そう、セクシーなんだな。声が。
僕が役のイメージを引きずりすぎなのかもしれないけれど、マルケタは悲しげ(に聴こえる)声がすごくいい。すーっと沁みこんできます。
そんな2人だから、バラード調の曲がよく映える気がする。「I Have Loved You Wrong」のリフレインが響いて聴こえるのも、だからなんだろうな。
しかし、アルバム盤にライブ音源のCDとDVDがついて3,000円を切るとは。
日本が高いのか、海外が安いのか。
はたまた円高のおかげなのか。
なんにしろ、お得感は半端ないです。輸入盤バンザイ。