舞城王太郎 / 新潮社

アイコは金田陽治への想いを抱えて少女的に悩んでいた。その間に街はカオスの大車輪!グルグル魔人は暴走してるし、同級生は誘拐されてるし、子供たちはアルマゲドンを始めてるし。世界は、そして私の恋はどうなっちゃうんだろう? 東京と魔界を彷徨いながら、アイコが見つけたものとは―─
舞城王太郎初読み。
なるほど、なかなかどうしてクセがある。
小説の書き方講座みたいなので、大体どこにでも「冒頭で読者の心をつかめ」みたいなことが書いてあります。でも、そんな始まったばかりの一文二文でハートがつかめちゃうものかよー、と思っていましたが、この作品の冒頭はまさに名文。
減るもんじゃねーだろとか言われたのでとりあえず
やってみたらちゃんと減った。私の自尊心。
名文中の名文だと思いませんか。すごいなぁ。たった一文でがっちり囚われてしまいました。もう、この冒頭の一文と出会っただけでこの本を読んだ価値はあるよ。
始めの方はまさに恋する少女・アイコのガーリッシュな語りで綴られていく物語なのですが、いつの間にやらそれが怪しい方向に。うーん、第二部がちょっと唐突な印象。や、分かるけど。バランスが悪いような気が。
なんだかどんどん先細りしていくよう。物語がすっごい唐突に無理矢理締めくくられちゃってるよ。ううむ、作者の想像力と筆力には感嘆しますけどね。
ガーリッシュはどうしたよガーリッシュ。みたいな。
これ、四日ほど前に図書館ふらついてて目に留まったので借りてきたんですが、今日読んでみてビックリ。うわあ、めっちゃタイムリー。偶然も極まれば必然となるのだ。ってか。滝とかに打たれてみると予言とかできるようにならないかな。