角野栄子 / 福音館書店

魔女のキキが恋の魔法にかかってしまいました。
恋って気がとおくなるほどうれしいことだけど、また足下の地面が揺れだしたかと思うほどの不安もついてきます。さて、さて・・・このキキの熱い思いはトンボさんにそのままとどくでしょうか。トンボさんはキキのこの熱い恋をどううけとめるのでしょうか。さあ、本の扉をあけて、キキといっしょに十七歳の夏の空をとんでください。
ようやく読みました。魔女の宅急便最新刊。
ふわふわするような楽しさと、止めどのない不安。恋をするって大変です。そしてとてもステキです。
故郷の町を出て、初めてコリコの町にやってきたのが13歳。そのキキももう17歳です。
その間にちょっぴり成長したキキですが、やはりそこは17歳の女の子。まだまだ未成熟なのです。ちょっとしたことでイライラしたり、あらゆるものに絶望したり、疑心の闇に囚われたり。
でも、ほんのちょっと足を踏み出すだけで、イライラは吹き飛び、人生は希望に満ち、誰とでも仲良くなれる。そうした一歩を踏み出せる強さを持つのもまた、未成熟なこの時期だけなのです。
不安定だからこそどうとでもなれる。
五は出るんですかね。のんびりと待ちましょう。