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冲方丁 / 角川書店

身のうちに病を飼い、未来を望まぬヤクザ藤堂。記憶を喪い、未来の鍵となる少年、穂(すい)。未来を手にせんとする男、沖。沖と宿命で結ばれた異能の女、蛭雪。未来を望まずにはいられぬ少年、誠。誠と偶然で結ばれた異能の女、戉。――縁は結ばれ、賽は投げられた。世界は、未来は変わるのか?




『さよなら妖精』を探している途中で見つけてしまい、あまりにも懐かしくてつい読んでしまいました。
冲方丁のデビュー作であり、第1回スニーカー大賞金賞受賞作です。

初めて読んだときはあまりにもおもしろくてすごく興奮し、それ以来冲方丁の虜になってしまうほどでしたが、いま改めて読んでみると少し肩すかしくらったような気分になりました。
こんなにボリュームが少なかったっけ……。
全体的に荒削りなのはまぁそれとしても、なんだかエピソードが薄っぺらくて物足りない。
藤堂と穂、誠と戊、沖と蛭雪。
記憶では、この三組の人間関係をもっと掘り下げてあったような気がしたんですが。
ナチュラルに記憶って改変されるものなのですね。

しかし、作品の方向や設定はやはり好きなので、いつかリライトしてくれないかなぁ。濃厚な極道ものとして。
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