早川書房

日本SF界の礎にして最先端であり続けた専門誌<SFマガジン>の創刊700号を記念したアンソロジー【国内篇】。1959年の創刊当時から現在までの掲載作品から、平井和正、筒井康隆、鈴木いづみの傑作短篇、貴志祐介、神林長平、野尻抱介、秋山瑞人、桜坂洋、円城塔の書籍未収録短篇の小説計9篇のほか、手塚治虫、松本零士、吾妻ひでおのコミック3篇、伊藤典夫のエッセイ1篇を収録。編者・大森望による「編集後記」も併録。
文庫本一冊のくせにボリュームありすぎ。お得すぎる一冊です。
ラインナップの豪華さと企画の趣旨に惹かれて手に取ったわけですが、一番の目的は秋山瑞人の「海原の用心棒」。そしてというかやはりというか、個人的に「海原~」が最高におもしろかった。この一作を読めただけでも大満足。
あぁ、秋山瑞人の新作が読みてぇなぁ。
『EGF』を手に取れる日は来るのだろうか。とりあえず、「おれはミサイル」と「海原の用心棒」に書き下ろしを加えて書籍化する、という予定を全うしてほしいです。書き下ろし! 書き下ろし!
秋山瑞人の他には、松本零士の「セクサロイド in THE DINOSAUR ZONE」と、野尻抱介の「素数の呼び声」がおもしろかった。
神林長平の「幽かな効能、機能・効果・検出」と桜坂洋の「さいたまチェーンソー少女」はここに載っている短篇だけではちょっと物足りない。どちらも続きがあるそうなので、書籍化したら一気読みしてみたい。
次は【海外篇】だなー。