構成・演出:土畑要 / 深海シガレットムーン

え!? 女の子なのに土俵にのっちゃう?
──悪が横行する龍球女子高校。
支配するのは、龍球女子校生徒会。
生徒会長も副会長も書記長も、朝青龍も全員が横綱。
なぜなら、ここは相撲が全てを決める世界…。
今ここに、龍球女子校生徒会VS龍球女子寮の戦いの火蓋が切っておとされ、行事は木村太郎です。
つよいって、カワイイ。
バカをやらせたら右に出るものがいないのが、深海シガレットムーン(らしいです)。
前回見たのは『農業少女』で、原作ものだったのでいまいち実感が湧きませんでしたが(なんといっても、元が元だから)、今回のを見て大納得。
バカだ。
チラシを見て、もっと、こう、なんていうか、「女の力なめるなよ!」みたいなものを想像していたのですが、全然違いました。
「カンフー○ッスル」を元ネタにとったらしいのですが、その映画を知っている人にしてみると、展開もネタもまんまらしいです。僕は見てないので分かりませんが。
確かにノリは良くも悪くも古き良きカンフー映画テイスト。
やりすぎというか悪ノリしすぎで、見終わった後、「相撲とってないし! 相撲じゃなくていいじゃん!」とツッコミを入れてしまいました。
せっかく、女子高生+相撲というおもしろい設定なのに、全然まったく活かし切れていないのが残念でした。
そういう意味で、作品自体はかなり目を塞ぎたくなるような惨状であるにも関わらず、笑ってしまうのが舞台の力。
役者と観客の近さと、ライブ感。役者の勢い、力量がびしばしぶつかってくるのです。
そして、こちらがノってくれば、それ以上に役者もノってきて、さらにこちらもノってきて……という好循環によって、エネルギーがとどまることなくまわっていくのが気持ちいい。
一年に一回くらい、こういうのも、まぁ、ありかな。