原作:中谷まゆみ / 劇団BANG★BOO!SHOT

男はかつて売れっ子カメラマン。
でも今や1年間仕事もせずにプータロー同然。
頭の中は女へのエッチな妄想で一杯。
妻には、毎日人参茶を与えられ、子作り旅行に行こうとせっつかれ・・・・ああ、妻がいなければ・・・。
助手はそんな男を心配し、お店のママも様子を見にやってくる。けれどそんな助手も好きな女にはなにもできなくて、当の女は有名になることだけを考えていたりいなかったり。
ダメな五人が織り成す、カラッと笑えてホロッと泣けるちょっとシリアスな物語。
BANG★BOO!SHOT二度目の観劇です。
前回が『法王庁の避妊法』で、今回がこれ。両方とも既製のホンですが、そんなことを感じないほどしっくりはまっていました。既製のホンを、バンブー流に演出し直すその腕が良いんだろうなぁ。
序盤はめっちゃトバしまくっていて、全力でコメディなのかと思っていたら。
後半からの展開に涙涙涙。全力でおちゃらけていたから、そこからぐるっと一気にシリアスに持って行かれたときのギャップが大きいわけですよ。
で、シリアス展開に移行した後に改めて思い返してみると、いままでのコメディ色の強い演技が、途端にぐっと、ぐぐっと切ないものに豹変してきます。
お話の流れでもある程度泣けてくるんですが、真相を知ってから、男のいままでの言動や行動を思い返してみたときの切なさ。も、それに泣けます、
それにしてもバンブーはメインの二人がきちんと上手いので安心して見ていられます。
特に口出さん。彼女の演技は実に上手いなぁ。
オリジナルはその劇団の色を嫌でも押し出してくるので確かにおもしろいのですが、既製のホンをどこまで自分たちの色に染められるのか、というのもその劇団の力の見せ所ですね。
いまの金沢の劇団の中では、バンブーは実にいい位置にいます。
次はどんなホンを見せてくれるのか楽しみです。
劇団BANG★BOO!SHOT
http://www.geocities.jp/bang_boo_shot/