作・演出:風李一成 / 劇団KAZARI@DRIVE

我、前田家三代弑逆し姫を寝取りて滅ぼされしが、いま蘇りて仇をば伐たん!闇に蠢く者達よ、我が旗を振れ! 我がもとへ集え!
我が名は、大槻電蔵…。Fuckin' Cityにわざわいなすものなり
荒俣宏の『帝都物語』を彷彿とさせる設定。
で、ノリはどことなく新感線風味。
それでも見終わった後に「KAZAEI@DRIVEらしいなぁ」、と思わせる辺り、さすがに風格があるなぁと思いました。
金沢を舞台にした設定なので、地元民が見るとその設定でまず唸らされます。
オカルティズム全開のその設定が、まるでそのためにしつらえたかのようにぴったりはまるのです。
しかし、物語の方は、まったく無いに等しい。
設定先行。その設定の中で、いかに役者を縦横無尽に動かすか。
そういうタイプのお芝居で、まるでハリウッド映画のようでした。なんにも考えずに見るには最適で、目の前に提示された画面を追っていくだけ。
まぁ、エンターテインメントってそういうものなんでしょうけどね。
もうちょっと物語性を持たせるとか、設定をきちんと活かすとかして欲しかったです。
今回は劇団羅針盤が客演として加わっていました。
そういう、普段違う劇団で活躍している人たちの絡みを見るのはなんだか新鮮で、少しおもしろかったです。