原作:アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

たいせつなことはね、目に見えないんだよ……
ミュージカル・星の王子さま。
見てきました。
直前に思い立ったにしてはマシな席が確保できて良かったです。
はじめは宮崎あおいを見たくて行こうと決めたのですが、その前に予習をしておこうと思って『星の王子さま』を読んで、そのおもしろさに打たれました。いや、事前に読んでおいて良かった。あの世界と、物語の内包する非常に繊細で危ういものを見落とさずにすんだから。
ミュージカルっていままでほとんど見たことがなかったのですが、ようやくこの手法の良さが見えてきた感じがします。
かっちりセットを組んで細部に至るまで作り込まれたテレビ・映画と違って、お芝居はラフなセットで細部は観客の想像力に依ることによって、実際以上のふくらみを持たせます。そして、ミュージカルは、歌を歌うことでただのお芝居より激しい感情の緩急を織り交ぜることができ、踊ることでより世界の深みを増すことができるのですね。
幻想的な作品であればあるほど、このミュージカルという手法は際だつのだろうなぁ、と思います。
それにしても、みなさん上手かった(当たり前だ)。
そんな中、あおいちゃんが一歩も引けを取らないどころか、芝居という観点で見れば、彼女が一番上手かった。
もう、ラストなんてぐじゅぐじゅですよ。
悲しくてせつなくて、でも、どこか幸福で。耳の奥にあの笑い声が焼き付いてしまいました。
で・も。
あおいちゃん、歌はあんまり上手じゃないね…