
東宝株式会社
ミュージカル「レ・ミゼラブル」のノーカットCD。
先日見たミュージカルが、ボディブローのように効いてくるのですよ。じわじわじわと。侵される、というのはまさにこのことか、というくらいに。
それでとうとう買っちゃった。
この2003年公演キャスト盤は四種類CDがあって、それぞれキャストが違うのですね。
そのキャストを眺めていると、なんと山本耕史と坂本真綾という名が!
しかし残念なことにふたりは共演しておらず……。どっちもものすごく聴きたいけど、さすがにCDを二枚買うのはちょっとなぁ、と、結構悩みました。
そして、結局は山本耕史さんを選びました。それがこのCD。
ミュージカルを見たときに感じたのですが、ミュージカルって歌と踊りじゃないですか。台詞があらかじめ決められていて立ち位置や動きが決められていることは芝居と変わりないけれど、圧倒的に不自由に見えたのですよ。音階や動きの隅々まで定められているのだから。
でも、こうしてCDを聴いていると、キャストによる違いというのがしっかりと分かるのです。や、それはもちろん、声が違うんですから当たり前っちゃー当たり前なんですけど。
微妙なアクセントの置き方、声の張り方、歌い方。
以前感じた不自由さがあるからこそ、そのわずかな間隙を縫って表現される役者さん独自の色がより際だつようでした。
うーん、おもしろいなぁ。
実に興味深い。
実際に見たミュージカルでのマリウスは岡田浩暉さんだったんですが、このCDの山本さんとは同じマリウスでもやっぱり違う。
どちらもお坊ちゃん然としてることは変わらないのですが、岡田マリウスはちょっとナルシーっぽい。山本マリウスは本当にお坊ちゃんっぽくてかわいらしい。岡田マリウスだとエポニーヌの気持ちにまったく気付かず応えてやらないことが非常にもやもやとするのですが、山本マリウスだと、なんとなく「仕方ないなぁ」とため息混じりに許してしまうものがありました。
はぁぁ、やっばい。坂本真綾さんのエポニーヌがめちゃめちゃ聴いてみたい。
どんな風になってんのかなぁ。
あのエポニーヌを、彼女はどう演じているんだろう……。
あーTSUTAYAに置いてあればなー(無理な相談)。