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奥華子

1.記憶
2.ピリオド
3.blue green
4.冬花火
5.幻の日々
6.曖昧な唇
7.10年
8.あなたと電話
9.Wedding Dress
10.しわくちゃ
11.HIKARI
12.未来地図
13.道


『good-bye』から約2年ぶりとなる新作アルバム。
あーもー失恋ソングの女王の面目躍如だよ。全曲せつない。そしてうつくしい。

2曲目の「ピリオド」が抜群によかった。
サビの部分の歌詞が特にすばらしく、胸にぐっと迫ってくるものがあります。
愛じゃなくても 恋じゃなくても
貴方と出会えた私は 前よりもずっと笑っています
愛じゃなくても 恋じゃなくても
人を信じる喜びを 貴方が教えてくれたから

いや、それ愛じゃん! そんなあたたかくてうつくしい感情が愛じゃなくて、なにが愛なの。
と思っていたら、最後の最後に
人を愛する喜びを 貴方が教えてくれたから

わかってんじゃん!
その上で「愛じゃなくても 恋じゃなくても」を繰り返すということは、がんばって自分で自分に言い聞かせてるんだなぁ……。ああ、せつない。なにこのせつなさ。恋をしてフラれて悲しいよ、という失恋ソングよりずっとずっとせつない。
自分の気持ち、相手の気持ち、自分の状況、相手の状況、全部をまるっと受け止めて、その上でまだ捨てられない思いって。
うわーいい女だなーほんとによー。

あと、7曲目の「10年」と8曲目の「あなたと電話」もよかった。

個人的に「仲間」とか「絆」とか、そういう単語をなんのてらいもなく発する人間が苦手で、胸を張って繰り出されるそういう言葉には、逆にどこか胡散臭さを覚えてしまいます。
今年で大学卒業して10年、というおっさんにとってみれば、「いつまでも仲間」とか「ずっと一緒」とか「離れてても心は一緒」とか、そういう気持ちや言葉が、物理的距離や時間の前にいかにむなしく響くのかという実感があるというのも大きな一因だとは思いますが。
その点、この歌はそういったものについて歌っているんだけれど、そのものずばりな言葉は出てこないところが逆に沁みます。
遠い町で暮らしてても 10年がまた過ぎたとしても
また会おうね また会えるよね 変わらない思い出が 私を支えてくれる

1番のサビが↑。2番のサビが↓。
帰る場所が違ってても ずっと声を聴いていなくても
笑っていて 今日もどこかで つながる空の下で頑張れる気がした

1番は友情について抒情的に表現されていて、「遠い町」とか「離れてても」とか「10年がまた過ぎる」とか「また会おうね」とか、物理的に「離れている」って感覚が表現されていて、それでもそんなものとは関係なく「あの頃」の思い出をいかに大切に思っているかがじんわりと伝わってきます。いい詩だ。
でも、2番のサビ。
こっちの方は、さらにいい。
「帰る場所が違う」というこの短い言葉だけで、物理的距離や時間的距離に隔てられているとかそんな単純な話じゃなくて、もう、自分と友人たち、みんなそれぞれの立ち位置が異なってしまっているということを、強烈に意識させられてしまう。
「あの頃」と「いま」の間には確かな別離があって、別離を経てもなお、あなたたちには笑っていてほしい、笑っていてくれれると思うだけで自分もがんばれる。
ここに描かれているのは深い深い愛情であって、特に胸にぐっと迫るものがあります。
いいよ……ものすごい好きだー!

「あなたと電話」は岡崎さんの「長距離電話」やメロキュアの「虹を見た」系の、離れててもつながってる感じのストレートな楽曲。
かわいい。
ていうか、正直、ほんとこの二曲を思い出してしまい、岡崎さんを悼む気持ちが出てきてしまって胸が熱くなる。なんだかな。


おまけCDの「華子と寄り道」、おもしろかったー!
歌詞やメロディの変遷を目の当たりにする(見てないけど。聴いてるんだけど)機会なんて滅多にないので、実に興味深かったです。ボーナストラックもいいけれど、こういうのもいいね。
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