坂本真綾
きっかけは、職場の休憩室に転がっていたタワーレコードの冊子でした。
何気なくぱらぱらとめくっていると、なんと坂本真綾が!
新アルバムをリリースしたということよりもなによりも、こんなところに載るほどの人だったのか、という驚きが強くて、数秒固まってしまいました。
前作『少年アリス』に収録されている「CALL TO ME」が激しくルンフィリ(ルーン×フィリエルのカップリング/『西の善き魔女』)っぽいという評判を聞いて借りたのが出会いでした。
確かに「CALL TO ME」はルンフィリでした。しかし、それ以上に、坂本真綾という人の声と歌唱力に惚れてしまい、過去の作品も急いで集めました。アニメ作品の曲が多くて、本人も声優もしているということなので、よく居るアイドル声優の類で、飛び抜けて歌の上手い人なのかと思ってました。
ところがところが。
歌い手としても、結構評価されてるんですね。ちょっと驚き。
今回のアルバムでは、「ハニー・カム」と「ループ」が特に好きでした。
「ハニー・カム」は、すっごくかわいい。
も、この人の歌はたまに身悶えするくらいかわいいのですが、これはその系統。
「ハニー・カム」と「はにかむ」をかけており、歌詞が、もう、たまらない。
はにかむ その表情が愛しくて
男の人は多分 思いっきり嘘をついて
女の子に愛を伝える
心を隠しきれずに
とか、
男の人は多分 頼もしい役を演じて
女の子に見破られてる
こぼれてしまう真実
とか。
女の子の方が男よりも一枚どころか十枚も百枚も上手なんですよ。ええ。それは、もう、間違いのない事実。それをかわいらしいポップな曲に乗せて歌うんだもの。
そして「ループ」はこの歌詞にやられました。
語りかけてくる文字を小説と呼ぶのなら
届かない言葉は夢かなあ?
届かない言葉。うん。それは夢と呼ぶにふさわしいよね。
ああ、かっこいい。
ただ、『少年アリス』では「うちゅうひこうしのうた」や「光あれ」「KING FISHER GIRL」「まきばアリス!」といった曲が詰まっていて、がつんとしたインパクトの聞き応えのあるアルバムだったのに対して、今作はなんとなく小振り。おとなしくまとまっているというか。それほどの威力がない。
菅野よう子さんの偉大さを改めて思い知ることとなりました。